藤代勝信

投稿者

70代男性:一関市在住

想い出の場所

折壁駅
折壁駅での思い出

思い出

「折壁停車場は人生の交差点」

昭和48年、6年間勤めた地元の村役場を24歳で退職し、折壁停車場から山汽車に乗って都会の市役所に出発した。改札口には多くの友達や職場の皆さんが見送りに来た。山汽車が発車し遠くなる人影、走りゆくふるさとの風景や霊峰室根山が涙でかすんでしまった。

若き日の自分に問いたい。どうしてふるさとを捨てて見知らぬ都会に行ってしまったのか?なぜ涙が出てしまったのか? 今冷静になって反省すれば、高卒直後に都会で仕事をしながら夜間大学に進学し卒業後はふるさとに帰ってくる考えを遅まきながら実行したのだろう。もともと旅行や未知の世界に憧れが強くその浮気心が反映したのだろう。

振り返れば39年、中学の同級生も半数が集団就職列車に揺られ、折壁停車場から上野駅などに夢や希望を抱いて人生を出発した。その時も見送りの立場で涙が出そうになった。君は涙もろいのかな?

折壁停車場は、自分の人生の中で幾度となく出会いと別れがあった。生涯で一度きりの新婚旅行でもこの停車場と山汽車を利用した。これからも通院でお世話になる———。

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電車のイラスト