思い出
18歳の夏、母の生まれ育った大東町へ一人で行ったとき、初めて摺沢駅に降り立ちました。タクシーを待つ間、駅の待合室にいる人たちから「どこから来たの?」「どこさ行くの?」と尋ねられたので行く先の土地を伝えると「ああ、○○さんちの孫だねえ」と言いながら飴やらおせんべいやらを沢山いただきました。一人ぼっちで駅の待合室にいるのが最初は不安でしたが、摺沢駅で地元の方から暖かいおもてなしをいただいてとても嬉しかったです。駅のいすには手で編んだ座布団がおいてあり、木造の長いいすからも暖かさを感じたことを覚えています。半世紀近く前の思い出ですが、一人旅での大船渡線から見えた車窓と木造の摺沢駅舎の風景が今も忘れられません。